副鼻腔炎
副鼻腔炎
鼻は、外鼻孔といわれる鼻の入り口は狭いですが、奥には広い空間があり、副鼻腔という4つの空間(上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形洞)から構成されています。その為、より正確な診断を行う為には広い空間を確認することが必要となり、画像検査、特にCT検査が必須となります。当院では、より的確な診断を行う目的で、CT検査を導入しております。
当院のCT検査は、コンビームCTといわれる機器を使用している為、通常の医科用CTと比較し放射線被ばく量が非常に少ないという特徴があり、被ばくがご不安な患者さんでも安心して撮影することが可能です。
ウイルスや細菌が副鼻腔に感染する病気です。かぜをひいた後に生じることが多く、かぜに続いて細菌感染が副鼻腔にもたらされます。膿のような鼻汁が出て、限られた空間に膿がたまるため、頬や目の奥が痛みます。頭痛、頭重感、発熱などを伴うこともあります。小児は大人に比べて副鼻腔炎になりやすい傾向があります。速やかに治療を開始しこじらせないことが大切です。
また、重症化した場合は、頭部や目に炎症が広がり危険な合併症を生じることもある為、症状が激しい場合は、CT検査を行いながら迅速かつ適切に対応を取る必要があります。
たえず鼻水が出る、鼻水がのどにまわる、常に鼻がつまり口で呼吸をしている、においを感じにくいといった症状が長期的にあります。慢性副鼻腔炎は大きく分けて、鼻茸(ポリープ)を伴うタイプと鼻茸(ポリープ)を伴わないタイプに分類されます。鼻のファイバースコープにて鼻茸の有無は確認しますが、副鼻腔全体の病態を把握する為、CT検査も行います。
鼻茸(ポリープ)を伴う慢性副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎)
鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の中には、近年、治りがわるく、再発しやすい特徴を呈する好酸球性副鼻腔炎が含まれます。この病気は国が認める「指定難病」に分類され、積極的な治療が必要となります。鼻詰まりや後鼻漏(鼻水がのどに落ちる)、顔面の違和感の他、嗅覚障害(匂いが分からない)が強く出現します。気管支喘息に合併していることが多い為、鼻の症状があり、気管支喘息をお持ちの患者さんはこの病気の可能性が疑われます。通常、最初は一般的な内服治療や点鼻治療を行いますが、効果が乏しい場合が多く、手術が必要となります。
しかしながら、手術をした場合でも再発を認めることが多く、術後の治療として、ステロイド治療やデュピクセント®(生物学的製剤)が必要となります。一時的なステロイド治療は有効ですが、長期的な投与の場合は、全身への悪影響を与えることがありおすすめできません。デュピクセント®は継続的に投与が必要となりますが、安全性が高く、治療効果も非常に良好で、有効な治療法となります。
また、高額な治療法となりますが、指定難病を取得することで、一定金額まで治療費を軽減できます。
リンク:デュピクセントを使用される鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の患者さんへ|サノフィ株式会社 (support-allergy.com)
当院では、好酸球性副鼻腔炎の診断と、指定難病取得、デュピクセント®による治療を行っております。
また、手術が必要と判断した場合は迅速に、高度医療施設へ紹介を致します。
副鼻腔炎と同様の症状、もしくは無症状で偶発的に見つかる場合があります。原因としてカビ(真菌)が影響し、やや高齢の女性に多い傾向です。レントゲンで診断することは難しく、CT検査が必要となることが多くあります。治療法としては、抗生剤などの治療効果が乏しく、手術療法が必要となります。通常は鼻の中に存在しているだけで影響はありませんが、時折急激に症状が悪化し、全身への影響を及ぼす場合がある為、注意が必要となります。
副鼻腔炎と同様の症状を認めますが、特に片側のみの症状が多く、後鼻漏(鼻がのどにたれる)や鼻づまり、頬の痛みや違和感が出現することが多いです。上の歯の虫歯が原因となる場合が多く、CT検査にて診断をします。発症早期は抗生剤や歯科での治療(必要に応じて抜歯)を行いますが、改善が得られない場合は、鼻の手術が必要となることがあります。